【WSLニュース】サーフィンでボードスライド

WSL / Matt Ower

以下WSL記事より

3月19日火曜日
クリス・コーテ

サーフィンでレイルを使ったトリックは危険である。
私自身も2008年に、サーフレイルスライドをメイクした2人目のサーファーとなった。

これは「死のサーフレイル」という企画で、私とトランスワールドサーフの編集スタッフたちとでタッグを組み、成功したものだった。


(ジュリアン・ウィルソンは、スケートとサーフを融合させ、ボードスライドを決めた)

数回のトライではレイルをかすることもできなかった。
まぐれさえも起こらず、最初のセッションは悲惨だった。

レイルは波によって部分的に壊れたりしたが、チームで修復作業を行い、再び多くのトライを行った後、リッキー・ウィットロックがスライドを成功させた。

スケーターの間では、オーリーをせずにレイルの上に乗るこのトリックを「ライドオングラインド」と呼ぶ。
サーフィン用のレイルは、サーフボードのノーズを滑らかなレイルの表面に載せることで、ボードがスライドしていく設計となっている。
と言葉で説明すると簡単そうだが、実際は難しい。

レイルスライドの感覚をテストするジュリアン・ウィルソン/WSL / Andrew Green

レイルスライドの感覚をテストするジュリアン・ウィルソン/WSL / Andrew Green

もちろん、「死のサーフレイル」は、私たちのボードを破壊し、レイルへの衝突に伴う打ち身、打撲、切り傷などもあった。
そして私たちはこのレイルとの戦いに勝利した。

レイルサーフィンの歴史は、90年代から2000年初頭に遡る。もちろんそれはスケートに影響されたものだった。

TransWorld SURF とWaves Magazine社は、スケート雑誌の影響を受け、エアーにも焦点を当て始めた頃でもあった。
エアリバース、スケートのスタイルにあるグラブ、フリップ、ショービットなど。
今ではこれらのトリックをサーフィンでも当たり前に見られるようになったものの、当時を振り返ると新しいもので、誰かがメイクすると祝福されていたものだった。

カリフォルニアのレイルマニアであるジョッシュ・スレイとオーストラリアのジェイムス・キャットーは、トランスワールドサーフとともにサーフレイルを共同で作り上げた。

ボードスライドを決めるジュリアン・ウィルソン/WSL / Matt Ower

ボードスライドを決めるジュリアン・ウィルソン/WSL / Matt Ower

そのレイルは、その記録や写真によって大きな議論をもたらした。嫌悪感を持つ人間もいたが、サーフィンにおける大きな成功だということを誰も否定することができず、「死のサーフレイル」が生き残ったのであった。

テレビ番組や各雑誌社がこのサーフレイルを一斉に報じた後、しばらくこのサーフレイルは闇に葬られた。

なぜならば、ジュリアン・ウィルソンとサーフィン科学者とのチームが、密かに現代的なサーフレイルを作り出していたからであった。
数週間後、ジュリアン・ウィルソンとレッドブルオーストラリアのチームがメルボルンのウェイブプールでテストを行った。

ウェイブプールはこのようなスタントにおいて理想的な波を作り出した。もちろんその危険度は変わらなかったが・・・。

ボードスライドに挑戦するジュリアン・ウィルソン/WSL / Andy Green

ボードスライドに挑戦するジュリアン・ウィルソン/WSL / Andy Green

ジュリアンとそのクルーは、レイルをアンカーを使わずに水の上に浮かせた。これが意味するものは、レイルが波とともに大きく動いてしまうということ。
レイルの上に登って着地するまでの予測不可能な動きをジュリアンは克服しなければならなかった。

私は、スケートボードを経験していないサーファーがボードスライドを決めることは難しいと思う。
ジュリアンは、幼い頃からスケートもやってきた。ツアーの間も、オフの日にはスケートパークに行っているほどだ。
「死のサーフレイル」とジュリアン・ウィルソンは無関係だが、その情熱や痛みは同じである。
中傷を浴びせる人は、レイルなんてサーフィンではなく無意味だと言う。しかし、多くのサーファーやファンたちはレイルサーフィンは格好良いと認めてくれている。

レイルがCTツアーで採用されることはまず無いだろう。しかし、ウェイブプールなどでは、レイルに特化したイベントが行われる可能性がある。安全ではないスケートボードのようなサーフィンを見れる日が来ることを楽しみにしている。

サーフィンとスケートボードは、ピーナッツバターとジェリーサンドウィッチ、またはベジマイトとパン(いずれも欧米で食されているおやつ)の関係である。

さあ、サーフレイルを狙いに行こう!

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