☆加藤の特別寄稿『ラハイナの悲劇に心寄せて』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安全安心な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

ラハイナの猛火

山火事が猛火となってラハイナの街を襲いつつある光景

振り返れば8月8日(火)の私は、ホームポイントの七里ガ浜で10年ぶりとも言える、たまに入るレギュラーの形の良い南西スウェル(台風6号)をグライドして楽しんでいました。

よもやハワイ州マウイ島の古都ラハイナ(ハワイ王朝時代は首都)の美しい街が焼失し、山火事による犠牲者としてはアメリカ最大の大惨事になろうとは夢にも思いませんでした。

以前に波伝説でコラムを書いてもらっていた岡崎友子さんから、毎日のようにSNSの発信があり、現地の捜索が進むにつれて報道で知る以上の惨事がラハイナで起こっていたことを知り、微力ながら自分に出来る協力としてこの特別寄稿を書くことにしました。

8月8日はマウイでも夏休み中であったために、共働きが多いラハイナの住宅には子どもたちだけで留守番している家庭が多かったそうです。
そうした中、ハリケーンに吹き込む暴風と、元々ラハイナエリアは島の西部にあたるため、オアフ島のマカハと同様に乾燥地帯であり、島の東部のように年間降水量が多くて緑が多い訳ではなく、低木を中心にしたブッシュが中心の土地であったため、山火事が一気に猛火となって燃え広がり、風下のラハイナの街や住宅が襲われてしまったようです。

※申し訳ありません、昨日書いたコラムの一部を削除しました。現地ではかなりの混乱が生じていて、すべての話が真実かどうかは確認できていないこと、また行方不明になっている子を持つ親御さんへの配慮のためです。なお、猛火はメタルをも溶かしてしまうほどの500℃以上の高熱だったので身元の判明は困難を極めているそうです。

一方、奇跡的に生きていた友だちと再会して抱き合って喜ぶ幼い子どもたちの姿も 

一方、奇跡的に生きていた友だちと再会して抱き合って喜ぶ幼い子どもたちの姿も※Please Pray for Maui from Japan ページより

明治時代に貧しかった日本の地方の農村から、ハワイ州からのサトウキビ畑で働くための移住者要請に応じて20万人以上の若者や家族がハワイに渡ったそうです。
当時の日本の地方の農村では、家族全員を食べさせる分の食料が賄えず、口減らしとして他所に働きに出していました。

波伝説のWaveHunterを開発したハワイアンのトレーシーも日系4世にあたります。
すでに日本の都会などにおいては、彼岸の墓参り、お盆、お正月などにおける仏教行事に関わる人が少なくなっていますが、ハワイでは日本以上にそうした仏教行事や日本文化を今も日系人の人々が大切に継承していると以前にトレーシーから聞きました。

盆踊りは“BON DANCE”と呼ばれ、「先祖が天から現世の親族の元に降りてくるため、BON DANCEを通して先祖とのスピリチュアルなふれあいの場を大切にしている」とも聞きました。
本来ならば、盆休みのラハイナの街では盛大にBON DANCEが執り行われていたはずです。

3.11の東日本大震災の折には、マウイの日系人が中心となって母国の甚大な被害に対して一生懸命募金活動をされて支援してくださいました。

都会化されたオアフ島とは異なり、まだ人口が少なく、カントリー、アロハスピリッツが残っているのがマウイです。
友子さんからのメッセージの中には、ウィンド、カイト、サーフィンのプロを含めたウォーターマン、ウォーターウーマンらがラハイナの街の捜索活動に、埃(ほこり)まみれになりながらも何日も自宅に帰らずに活動を続けているそうです。また、本日(現地時間8月16日)は、家を失い、友だちを亡くして、心に深い傷を負った子どもたちを少しでも勇気づけるためにと、ホキパの海に連れて行きサーフィンさせる活動も展開しているそうです。これからは子どもたちの心のケアも重要になるはずなので、とても素晴らしい活動です!!!

いまこのコラムを書いている17日(木)には、ようやくバイデン大統領がラハイナの街を視察するようなので、今後は軍隊による救援支援活動が本格化するものと思われます。
しかし、本当に困っている被災住民に支援が届くのはかなり時間が経ってからになるのが、これまでの災害救援ボランティア活動を通じて確信していますので、今は住民同士による支援がとても重要となっているはずです。
昨日も自宅を焼失した住民が、スーパーマーケットで日用・食料品を買おうとレジに並んでいたら、火災を免れた住民がそっと一緒に支払いを済ませている光景を友子さんの友人が目撃したそうです。

下記のドネーション先は、岡崎友子さん、野中知子、井口彩子さん、齋田可奈さん(弘之さんの奥さま)ら、マウイにお住いの日本人が作った草の根のドネーションです。このドネーションは現地のウォーターマンらによる被災したラハイナの街の捜索活動や被災住民への支援活動に費やされます。

タイトルなし
https://www.gofundme.com/f/please-pray-for-maui-from-japan
※なお、私はPCからドネーションをしようとしたらエラー表示が続いたので、スマホから再トライしたら無事に募金することができました。

また、上記の募金以外にも草の根のドネーションがいくつも出来上がっているようです。
英語表記にはなりますが、ご自分が支援したい最も適したものを検索などで探されてから募金する支援も効果的だと思います。
https://www.gofundme.com/discover

太平洋をはさんでハワイ(マウイ)とはお隣さんであり、海を通じてつながっています。
どうか隣人であり、歴史的につながりのある日本人として、マウイの募金活動に協力して参りましょう。
また我々の大先輩がマウイに移住して経済を支えてきたラハイナの街や住民の支援・復興に向けて、SNSなどによるリンクなどで支援の輪を広げて参りましょう。

衷心より皆さまのご理解とご協力のほどを、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年8月17日 
株式会社サーフレジェンド
代表取締役 加藤道夫

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