
耳に砂が入ってしまったら
ボディー・サーフィンやスキューバ・ダイビング、海水浴など砂浜の波打ち際で潜ったり、波に巻かれてしまったときなど、全身を頭から砂まみれになってしまった経験がある人も多いと思います。
そんな経験の後に、耳の中からカサカサという音がしたり、軽い痛みや違和感を感じることがあります。海に入らないまでも、台風や季節風による強い突風の中、巻き上げられた砂をかぶってしまい耳に入ってしまうということもあります。
「耳の異常」とは……
耳に海水や砂などの異物が入ってしまうことや、海の中で水圧によって痛みが生じたりそれがしばらく続いてしまうことに加え、耳が聞こえにくくなってしまったり、耳の中で雑音がするようになってしまうことです。
耳の中にある鼓膜は、空気の震えを音として認識する感覚器官です。そしてさらにその奥には全身のバランス感覚をつかさどる繊細な役割があります。耳の中に異物が入ると、炎症を起こすことがありその場所によって、外耳炎、中耳炎、内耳炎などが起こることがあります。
さらに、耳は鼻とはつながっており、水中に深く潜っていく時などに水圧がかかった時には、鼻をつまんだ状態で空気を鼻に送り込むと、内圧が上がり耳の中の圧力のバランスが整います。これを「耳抜き」と言います。この耳抜きがうまくできない場合は、水圧で耳(鼓膜など)を傷めることがあります。

ボディーサーフィンにより波打ち際で、頭から砂の混じった波をかぶってしまった例(内視鏡写真)
この後、耳鼻咽喉科にて専用の吸引器で一部を取り除く
≪症状≫
<その他>
≪手当≫
頭から耳のまわりの砂をシャワー等で洗い流す。
湿らせたタオルや手ぬぐいなどを耳に当て取り除く。
耳の穴に近いところは、綿棒などを湿らせて取り除。
取りきれていない場合や耳の穴の奥に入ってしまったら必ず医療機関(耳鼻咽喉科)を受診する。
少しでも痛みがあったり、2~3日しても、水が抜けないような場合は必ず医療機関(耳鼻咽喉科)を受診する。
≪注意する点≫
耳に砂が入っても、必ず炎症を起こすわけではないので慌てない。
耳かきや綿棒を、耳の中に深く入れて取り除こうとしない。(耳の粘膜や鼓膜にキズをつけ、炎症を起こしたりそこから感染する恐れがある)
その他、少しでも違和感を感じた場合は、医療機関(耳鼻咽喉科)を受診する。
耳に入った水は自然になくなりますが、2~3日しても抜けない場合には、医療機関(耳鼻咽喉科)を受診する。