Vol.7 RICE

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R.I.C.E.処置

RICE(ライス)処置とは、4つの手当の頭文字をあわせた名称です。

どんなケガにも共通して行なうことができる万能の手当の方法です。

打撲(だぼく)、捻挫(ねんざ)、肉離れ、突き指、骨折などに有効です。

ケガをした部位におこる炎症や出血(内出血)を抑え、腫れをひどくせずに、痛みを軽減することに効果が期待できます。

  • Rest (安静)
  • ケガをしたら、ケガをした部位を動かさないことが最初の手当です。

    痛みを増やさないようにするためにも、むやみに動かさず、できるだけ安静にすることで、それ以上ケガをひどくすることを防ぎます。

  • Ice(冷却)
  • ケガをした部位とその周囲を冷やします。

    冷やすことで内出血を抑え、腫れを最小限に防ぐことと、痛みを抑えることができます。冷やす方法は、ケガの部位や様子により変わってきますが、主に氷水を用いることが効果的です。

    ビニール袋や市販のアイスバッグ(氷嚢=ひょうのう)に氷水を入れてケガをした部位とその周囲にあてる方法が良いでしょう。ケガの種類と程度によっても変わりますが、1回15~30分、1~2時間に1回を目安に、氷水を取り変えつつ繰り返して冷やします。

     

    ◇氷水・ビニール

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    ◇ICEBAG

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  • Compression(圧迫)
  • ケガをした部位とその周囲全体を、包帯やタオルなどを巻いて包みます。全体的に圧迫が加わることで、それ以上の腫れを押さえることができます。

     

    ◇足首包帯

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    足首全体を包帯で包む

  • Elevation(挙上:きょじょう)
  • 安静にしながら、毛布や座布団、タオルなどでケガをした部位を少し高く上げます。

    理想的には心臓の位置よりほんの少し高くできるとよいでしょう。内出血を抑えて腫れやむくみを防ぐためにも、痛みを軽くする効果が期待できます。

     

    ◇RICE処置

    クッションや毛布で挙上しながら、アイスバッグで冷やす

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    処置

    ◎RICE処置は、4つの手当をすべて行なえればよいのですが、氷が近くにない場合、包帯やタオルがない場合などであっても、出来る手当を1つでも行なうことが大切です。

    何もない場合であっても安静にすることや挙上することだけでも行なえます。

    誰もが2つ以上の手当を行なうことができ、それだけでも効果があります。

  • どのくらい行なえばよいのか?
  • ケガをしてから、病院など医療機関に行くまで行ないます。

    すぐに医療機関の診察が受けれない場合は、24時間~48時間行ないます。

    1~2時間に1回を目安に冷やします。

    注意する点

  • <冷却での注意点>
  • ケガをした部位とその周囲を冷やすときは、冷やすモノによって、また冷やし過ぎることで、皮膚に凍傷(とうしょう)がおきてしまうことがありますので、観察をしながら行なってください。

    氷水を使うようにすれば間違いはありませんが、冷却剤や氷を直に長時間当てたり、ドライアイスを使用するのは危険です。

    コールドスプレーは瞬間での使用しかできないため効果は期待できません。

  • <圧迫の注意点>
  • ケガをした部位やその周囲全体を圧迫する際には、圧迫する部位の皮膚に影響を及ぼしたり、血行を必要以上に妨げないように、包帯などをあまりきつく巻いたり縛りすぎないようにします。

  • <骨折が疑われる場合>
  • ケガをした部位と近くの関節を固定して、動揺を与えないようにした上でRICE処置を行ないます。

  • <皮膚にキズがある場合>
  • 皮膚にキズがあったり、出血している場合は、キズの手当を行なってからRICE処置を行なってください。

    もしもキズの周囲に骨折が疑われるような場合は、感染の危険が高くなりますので、特に注意が必要です。出来るだけ早く119番通報をしてください。