
手足を擦(す)りむいた
岸壁や岩場でフジツボやカキに肌が直接接触し、擦(こす)ってしまった場合や転んでしまったときなど、皮膚の一部に出血をともなうキズができてしまうことがあります。
「擦り傷(すりきず)/切り傷(きりきず)」とは……
肌が何かに擦(こす)れたりぶつけたりすることでできるキズのこと。
ヒトの身体のもっとも外側を覆う組織を皮膚といいますが、その皮膚の一部が外力によって切れたり破けたりすることです。
擦り傷…土や砂が傷口に混入したり、皮膚の表面が擦れて傷つきます。
切り傷…尖ったものや鋭いものにより皮膚がシャープに切れて傷つきます
≪症状≫
- 皮膚にキズ(破けたり、切れたり)ができる
- キズから血が出てくる
- キズの周囲に痛みが出る
- キズの周囲が赤くなる
- キズの周囲が腫れる etc.
≪手当≫
- まず安静にして、座って傷口の様子を観察する。
- 傷口の範囲が大きく、出血の範囲が広く見えても決して慌てない。
- 傷口とその周囲が砂や土で汚れていたら、水道水などで洗い流す。
※手当をする手も洗い、ビニール袋などを利用し傷口に直接触れない。
- 傷口に滅菌ガーゼを当て(なければハンカチなどでも良い)その上を手のひら全体で覆うように、しばらく押さえて止血する。
※必要であれば左右から両手で押さえることも効果的です。
- できれば心臓より高い位置で押さえる。
- ある程度止血ができたらタオルや包帯などで覆い、傷口とその周囲全体を圧迫する。
◇前腕包帯

- ※「止血」
傷口の大小や深さに関わらず、キズの手当(止血)の方法は変わりません。ほとんどのキズの出血は、直接押さえることである程度止血する効果が期待できます。
- その後、必ず! 医療機関を受診します。
◇腕の吊り



≪注意する点≫
手足や皮膚などからにじむような出血は、毛細血管からの出血です。
ジワリジワリと出て、濃い赤色は静脈からの出血です。
脈打つように吹き出る赤い出血は動脈からの出血です。
慌てずに止血することが大切です。
いずれにせよ手当は変わりません。
もっとも怖いのは……
- 「感染」
傷口から雑菌が体内に侵入してしまうこと。
傷口が膿んで(化膿して)腫れてしまったり、治りが遅くなるだけではなく、全身状態に悪影響を及ぼす危険が生じます。
たとえば「破傷風」等という感染症の原因になることもあるので、出血が少ない、傷口が小さい、痛みや腫れが少ない場合であっても医師の診察を受けることが大切です。