
釣り針が刺さった
釣りをしているときや、または投げ釣りをしている人の近くを通ったときなど、誤って釣り針が肌の一部に触れたり、刺さったりし、皮膚の一部に出血をともなうキズができたり、針が貫通してしまうようなことがあります。
「刺し傷(さしきず)」とは……
肌に何か尖ったモノがぶつかったり刺さったりしてできるキズのこと。
ヒトの身体のもっとも外側を覆う組織を皮膚といいますが、その皮膚の一部が鋭利な(先のするどい)モノによって切れたり刺さったりすることです。
≪症状≫
- 皮膚にキズ(破けたり、切れたり)ができる
- 釣り針が深く刺さった場合は、針が抜けなくなり刺さったままになる
- 小さなキズから血が出てくる
- キズの周囲に痛みが出る
- キズの周囲が赤くなる
- キズの周囲が腫れる etc.
≪手当≫
- ~釣り針が刺さっている場合~
まず安静にして、座って傷口の様子を観察する。
釣り針が刺さったままの場合は、むやみにはずそうとしない。
釣り針から釣り糸を切る。
周囲を真水や水道水で洗う。
釣り針が刺さったまま、動かないように、包帯やハンカチ、タオルなどで傷口の周囲を固定する。
そのまま速やかに医療機関の治療を受ける。
- ~釣り針がはずれている場合~
傷口が広がっていて出血している範囲が広くても慌てない。
傷口とその周囲が砂や土で汚れていたら、真水や水道水で洗い流す。
※手当をする手も洗い、ビニール袋などを利用し傷口に直接触れない。
傷口に滅菌ガーゼを当て(なければハンカチなどでも良い)その上を手のひら全体で覆うようにしばらく押さえて、止血する。
※必要であれば左右から両手で押さえることも効果的です。
できれば心臓より高い位置で押さえる。
ある程度止血ができたらタオルや包帯などで覆い、傷口とその周囲全体を圧迫する。
その後、必ず! 医療機関を受診する。
≪注意する点≫
もっとも怖いのは……
- 「感染」
傷口から雑菌が体内に侵入してしまうこと。
刺し傷の場合は、傷口が小さく深いことが特徴です。また、出血が小さい場合が多いので、雑菌が侵入しやすく、洗っても流れ出にくい。
傷口が膿んで(化膿して)腫れてしまったりすると、治りが遅くなるだけではなく、全身状態に悪影響を及ぼす危険が生じます。
たとえば「破傷風」などの感染症の原因になることもあるので、出血が少ない、傷口が小さい、痛みや腫れが少ない場合であっても医師の診察を受けることが大切です。
≪釣り針の対処≫
針がささった部分のほか、刺さった部位によっては貫通してしまっていることもあるので観察が重要なことと、貫通している場合は貫通部位も傷口と同様の対応をする。
釣り針の先には「返し」言われる、外れにくくするためのフック状のカギ型になっている形状のものが多く、無理にはずそうとすると、傷口をより酷(ひど)く大きくしてしまうことがあるので、医療機関で手当をしてもらうことが必要です。
