3/31 Story of The Surf Pilgrim vol-4

Naoya Kimoto

Naoya Kimoto
サーフィンフォトグラフ界の巨匠、重厚なショットが魅力のKINこと木本直哉。 16才でサーフィンを覚え、20才からサーフィンフォトグラフィーの道を歩みだす。1981年から冬のハワイノースショアに通いだし、現在も最前線で活躍中。

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左の写真はマーことオオノマサトシのビッグボトムターンショット。

そして右の写真は愛知県伊良湖岬にあるストーンゲートのラインアップショットだ。

日本が世界に誇るレフティの一人・マーとは、

彼がオーストラリア・ゴールドコーストベースから日本ベースに移して以来、

日本各地の波を共にハンティングしてきた。

それは沖縄のアウターリーフであったり、四国の河口であったり、

新島のビーチブレイクであったりと、

日本の素晴らしい波とマーの素晴らしいサーフィンがコラボした、

ワールドクラスのセッションを撮影・発信してきた。

そんなセッションを重ねる中、2014年10月4日、

日本列島を北東に抜けていく台風19号・ヴォンフォンのスエルを狙って、

マーと静岡県の御前崎で待ち合わせをした。

俺は大阪から、マーは湘南から出向き、狙いの河口に行くものの大味で良くなかった。

あちこちの波情報を聞き、近場では伊良湖のロングビーチの地形が良いとのこと。

早速車を走らせ、遠州灘のコーストラインを爆走〜

浜松を通り過ぎ浜名バイパスに入ると一気に海が開けて見え、

眩しい朝の光の中、脈々としたタイフーンスエルが左から右へと力強くパンプしていた。

俺も、恐らく後ろを走っていたマーも大興奮〜

更にテンションが上がり伊良湖へ向かって突っ走った。

さてはて赤羽根ロングビーチに着くと、、、

なんと弥八岩のアウトからまるでG-landのようなレフティがピールしてるではないか!!

折しもお隣のロコポイントでは延期になっていたJPSAの残りの試合が行われていた。

別のポイントも気になっていたが、目の前のロングレフトにマーもすっかりストーク。

ロングドライブの疲れも何のその、速攻入水〜

ビーチブレイクとしては有り得ないポイントブレイクのような波で、

ローカルのスズキマサヒロ等と最高のセッションが展開されていった。

タイフーンスエルは更にグロウイン、ロングビーチもたまにクローズセットが来るようになり、

マーも大満足げに上がってきた。

これだけサイズアップしてきたので、もしかしてストーンゲートも割れ出したかな?

と思い、休む間も無く現場へ向かった。

伊良湖岬突先の少し手前に位置するストーンゲート。

そもそもドン深の地形だったのが最近とみに地形が良く、

すでにここまでも地元のサーファーによって凄いセッションが行われていた。

およそビーチブレイクとは思えないサイズ、肉の厚さで、

まるでプエルトエスコンディードや,

本家パイプラインのようなブレイクを見せると聞かされていた。

はたしてポイントへの細道を折れると、、、、

ややランダムながらも8〜10〜近いAフレームが頭をもたげているではないか!!

ロングビーチのファンなレフトとは大違いの、

驚異的圧倒的パワーを秘めた強骨なビーチブレイクだった。

板は長いのが要りそうだ。

何処からゲッティングアウトすれば良いのか?

このけたたましいショアブレイクから戻ってこれるのか?

海には誰も入っていない。

いよいよマーのソロアタックとなった。

こういった時にこそサーファーが剝きだすスキル・エクスペリエンスがものを言う。

ノースショアでのビッグウエイブの経験値、長い板を操れるのか、

最悪の事態からエスケープできるのか、だ。

マーは屈強なコンペティターであると同時に、

ハードブレイクにもしっかり対応できるフェノメナルサーファーだ。

きっと素晴らしいセッションを展開してくれると信じていた。

タイミングを見計らってダブルオーバーヘッドはあるショアブレイクを超え、

分厚いホワイトウォーターを抜け、試行錯誤しながらピークを探す。

リーフブレイクではないのでピークが大きくズレてくる。

一本乗るとアウトに出れなくなり一度上がってやり直す場面もあったが、

マーはたった一人でストーンゲートのビッグウエイブに挑んでいった。

そんな激しくも閑散としたビーチの、

秋の午後の淡い光の中、これらの写真が撮影されたのだ。

そして俺とマーのデザイアーはこれに留まることなく、

タイフーンスエルをチェイスして、

今度は伊良湖から湘南まで登り、

翌日鎌倉のリーフでもセッションしていた〜〜

 

 

 

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2014年10月、日本に上陸した台風19号・ヴォンフォン。

 

 

 

 

 

 

 

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