フィジー波旅 第4章(最終章)by 抱井保徳

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「だって普通レベルの腕前でもクラウドブレイクの波になんて乗れるの?」とか心配になる気持ちはわかる

今回のフィジーの海では、たとえばよくバリとかで見かける真っ白な細い腕に痛々しい真新しいタトゥー、そして、のべつまくなしにタバコをふかしているような日本からのサーファーさんの姿をあまり目にしなかった。

いやもっと正確に言うなら、それ系のサーファーさんは一人もいなかった。それがどうした?と云うと、そこまで冒険的なサーフィンにのめり込んでいない人達はまだフィジー海域にまで到達してないのかな?という印象を受けたのだ。

たしかに「だって普通レベルの腕前でもクラウドブレイクの波になんて乗れるの?」とか心配になる気持ちはわかる。とくにネットでフィジーの波を検索するとまず最初に目につくあの超巨大メガスウェルの映像…

「あんなのとんでもない!」と怖気づくのはみんないっしょ。ところが現実のフィジーの海には、たまにしかサーフィンできない62歳男性が楽しめるファンウェイブもあったのだ。

たとえばあのボルコムの大会も開かれる有名なクラウドブレイクだって、じつは波が小さければ沖ほどテイクオフがイージーで、しかもそこで波待ちするサーファーは少ない。なぜならみんなインサイド(手前)の掘れてバレルになるセクションを攻めるので、沖の年寄り向きの波にはそれほど惹かれないのだろう。

curving and himena.

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それで世界的にあんな有名なサーフスポットでも自分だけの世界をキープできるのだ。ただしそのイージーな波も下手に(上手くかな?)乗り継げてしまうと、それまで乗っていた波のサイズが急にダブルアップして、波運しだいでは望みもしなかったバレルに包みこまれたりもするので要注意。

inside-barrel and kaki.

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でも土地柄、海には大人のサーファーが多いからみんな歓声で迎えてくれる。そんな時は歓声を送ってくれた人たちに微笑みを返しながら気分はボルコムプロで4本の10ポイントライドを決めたオーエン・ライトである。

波が良過ぎると、自分のサーフィンが上手くなったと錯覚するが、それでいいのだ。このクラウドブレイクについて語り尽くすことはムリだけど、その周辺にはさらに楽しい波が点在している。

ところどころ岩や珊瑚が顔を覗かせているセクションもあるが、なにしろ水の透明度がよいのと、サーフィンしているうちにイメージが出来上がり慣れてくる。

リーフの危険度は干潮時を避ければ、最近人気の高いメンタワイ諸島のリーフブレイクの水深に比べ、フィジーのリーフの方が全体に深く安全に感じた。もっとも前述したとおり潮の流れには注意が必要だが…

barrel and Mr.OM-tour

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トリップの初めは、まるで取り付く島もないように感じた広大なフィジーのリーフだったのに、慣れればそれだけに混雑の無いセクションで自分のサーフィンに没頭できることに気が付く。

それを可能にしてくれるのが、海を知るこのツアーのガイドの存在である。だから沖でのんびり乗るのもいいし、インサイドの掘れたセクションで、縦のリッピングに明け暮れるのも自由だ。

現にこの週末のフィジーツアーでも命に給油するようなサーフィンを楽しむ者がいれば、またコンテストに向けての調整サーフィンに集中するプロサーファーもいた。

サーフトリップのディスティネイションは数多くあれど、それの余分な贅肉をすっかり剥ぎ取った、これからのサーフィン人生の目標となる波に出会えたフィジー週末トリップだった。

Vinaka~ by Yasunori Kakai

fiji water and kaki.

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フィジー波旅 第1章 by 抱井保徳

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