上條将美のウラナミ『長いヤツvol,2』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

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学生たちは長い夏休みに入り、ここ関東地方でも梅雨が明けようとしているきょうこのごろ(7月20日現在)、皆さんどうお過ごしですか。

さて、前回のウラナミでは台風シーズンに向けてサイズのある波用に長めのボードをオススメしました。

実は、自分もちょうど6’6のボードができあがり、それにタイミングを合わせるかのように次の週に台風スウェルが湘南にヒット!! 鎌倉の某クラシックポイントで初乗りと言いますか進水式を行うことができました。

この日は、南西諸島方面へと進んだ台風から波長の長い南西寄りのうねりがヒットし、アベレージ頭半サイズ、ときおりダブル前後のセットが入るというコンディションでした。

午前4時半過ぎ、パドルアウトするときにはごく弱いながらもまだオン寄りの風が吹いていて、波数のかなり多い、ややまとまりに欠けるコンディションでした。
なので、前日は結構混雑していたようですが、このときは2~3名のサーファーがパドルアウトしているのみといった状況。

手前のセクションではオーバーヘッドサイズの掘れる波がガンガンブレイクしており、浮力のある長い板ということもあって10分間くらいハマっていたと思います。

セットのタイミングを計りつつ沖へのカレントを探し、あきらめかけたころに何とかゲティングアウト。いかにも波長の長いうねりということで波はかなり分厚く、普段は割れないかなりアウトの位置からブレイクしていました。

アウトに出てみると、やはりややまとまりに欠けてチューブは閉じてしまうものの、うねりはピークにシフトして集まりながらパワフルなダブルアップ!! デカいホワイトウォーターとなってさく裂しています。

久々のサイズのある波で乗り方を忘れていた感はあるものの何本かメイク。ボードも調子が良いことがわかり、奥から攻めつつアクションも入れて楽しめていました。

そうこうするうちに風が弱いオフショアに変わり、波もきれいになり始めました。
「さあ~~、これからこれから~」と思いつつ、たまたまアウトに一人でいる時、セットが入ってきました。慌てて沖に向かうもののギリギリ間に合いません。ドルフィンをするか迷いましたが、ちょうどインパクトにきてしまったこともあり、板を捨てて潜ってしまいました。2本、3本とセットをやり過ごし、さあと思ってリーシュを引っ張ると、板が以上に短い。なんと板の2/3くらいが折れてなくなっていました。
自分の記憶ではここ10年以上板を折っていなかったと思います。

ただし、この板に限ってはわずか10本程度の波、時間にして1時間45分くらいでしょうか。波が大きくカレントもあったので、ノーズ側の方は探したものの見つかりませんでした。

板を折ってしまったショックは自分が思っている以上に大きく、会う人皆に「いや~板が折れちゃって~」 と言いまくっている自分がいました。
「長いヤツ」、短い間だったけど今までありがとう~!!
そして、今度は折れにくいようにがっちりカーボンでも入れようかな~。

上條将美

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