田原啓江のウラナミ『感じ取る目で』

田原啓江

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田原 啓江 / こんにちは。プロサーファーの田原啓江です。千葉南の波情報を担当しています。ウラナミではプライベートなことはもとより、サーフィンや海外遠征、トリップのことなど満載してお届けしたいと思います☆

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こんにちは、田原啓江です。

 

かれこれ8年近く前になりますが、私は酷い近視に悩みレーシックを受け・・・驚異の視力を取り戻しました。手術後の視界の鮮明さへの驚きを、今も感動を持って思い出します!

もちろん、スポーツ選手だけではなく誰もが「目が良い」ことは快適な生活を送るうえの欠かせない条件のように感じます。

 

ところが最近、気付いたことがあって。

自分がサーフィンしているなかでも、波を見過ぎるとアクションが遅れ、フローを失う原因にもなり、良いライディングが出来ないのです・・・。

 

野球のイチロー選手の不調のときのコメントとして「目で球を追っている」と言っていたことがあります。そもそも、イチロー選手は視力が良くないのですが。

 

目というものは一点を注視すると周囲が見えなくなる(周囲の情報が目に入らない)特性を持っているそうです。

 

これに対して、普段私達が車などを運転するときに使っている目の動きは、分散して周囲からの多くの状況や状態を一瞬にして察する「感じ取る目」だそうです。確かに、カーブで目先の曲り具合に集中して見ていると・・・ぶつかりやすくて危ない(笑)

 

優れた選手の「動体視力が良い」というのも、実はこの「感じ取る目」の鋭さをさしていて、実際の目を動かす速さの能力や視力の良し悪しをいうものではないみたいです。

だから、良いライディングをしたいならば、見たくても見てはいけない!?

察することや、全体を感じることが大事です。

アクションや練習においても、技をかける場所や波を見ることよりも、自分が今、波のどこを走っているかを全体像で捉える視点があればスムースで上手く乗れます。

 

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そして、この全体のフローで見る「感じ取る目」というものは、実は生活のなかでもとても大事なことだと感じます。

 

日々失敗の連続で・・とりあえずは何かやってはみるものの、私はその分失敗が多く、仕事上でのミスも多いほう。

目の前のミスや、生きてりゃ色々ある失敗や悲しいこと、挫折や怒りとか。

 

とかくネガティブな感情には、人は心がとらわれがちとなってしまいます。そして、もっと大切なフローや、失敗やミスのなかにあった良いことすら・・・見えなくなってしまう。

 

人のものを見る目の働きは、脳の認識が大きく作用しています。

ある程度は自分に役立つものの見方が出来るようです。

単なる視力の良し悪しではなく、もう一度ものの見方を含めた「感じ取る目」を良くすることは私のなかで、最近大きなヒントになっています。

皆様も宜しければ、是非一度お試しください。

 

参考文献

「快視力」田村知則

「一流選手の動きはなぜ美しいのか」小田伸午

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